昨日から急に冷え込んできたと思ったら、べたべたの雨が固まって雪になる。
こんな日は外に出ないべきだし、世間は正月が近いせいで騒がしいが自分にはあいにく予定が何も無いので、ごろごろとDTOはこたつの主になっていた。ここ最近風呂にも入っていないらしく、燈色の髪はひどい寝癖がついている。
部屋の中はごみでいっぱいになっており文字通り足の踏み場も無かった。冷蔵庫に入っているものといえばビールだけである。
さすがに、これはまずい。




ありったけの服を着込んでもなお寒気は肌をすべる。小さく身震いしてやっとDTOは自身のだらけきった生活を呪った。働き者であればもしかしたら、この寒さにも慣れていたかもしれない。
手をすり合わせても冷えた手は温まらないのは知っているがやらないよりかはきっとましだ。
「先生ー!」
名前を呼ばれながら大小さまざまな雪球がこちらに向かって投げられてきた。日頃寝ることしかしなかったDTOの体はすっかり鈍っており、ぼすぼすと当ってしまう。
恨みが特別あるわけではないしむしろ可愛い生徒たちなのだけれど、不機嫌なときにそんなことをされたら誰だって腹が立つ。あまり我慢強いとは言えないDTOならなおさらで、先ほどまでさすっていた手をほどいて思わず雪を掴んだ。
それを見て一気にはやし立てるのは生徒たちで、大人気無い、とか、恐い、などと言いながらも自身もしっかり追撃の準備をしている。
素手で掴んでいるため指はあまり動かないが、投げてしまえばこちらのものだ。




心地良い疲労と巡りの良くなった血液とでだらけていた気分も晴れ、あんなに寒かったのに、今はむしろ脱ぎたいほど熱い。
さようならの代わりに投げられた特大の雪球をかわすと、DTOは小さな雪球を投げつけた。適当に投げられたその玉に、元々、もう疲れきっていた上にそれ以上のやる気も起きなかったらしく、学生達は次々と帰っていく。いつのまにか日も暮れ始めていた。
ひらひらと手を振ってDTOも歩き始める。外出動機なんて、もう忘れた。














みんな先生だいすきだといいな!




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